【東京、北京、ベルリン、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、ソウル、台北 – 2025年9月3日】

主なポイント
•2025年Q2、日本のスマートフォン出荷台数は前年同期比11%増、市場成熟にもかかわらず2四半期連続の二桁成長
•最大シェアを持つAppleはiPhone 16eの好調な販売継続により出荷台数が前年同期比38%増
•Samsung、年のプロモーション強化により出荷台数が前年同期比60%増、近年で最大のパフォーマンス
•端末返却プログラムを含む積極的な販売プロモーションが需要を刺激し日本市場の成長下支え

2025年Q2における日本のスマートフォン出荷台数は前年同期比11%増となり、市場の成熟にもかかわらず2四半期連続で二桁成長を達成しました。成長を牽引したのは主にAppleで、同社は顕著なシェア拡大を実現しています。さらに、日本市場ではキャリアや量販店などによる販売促進施策の強化が功を奏しています。特に「1円端末」として提供されることの多い端末返却プログラムが買い替え需要を喚起し、主要な仕組みとして定着しつつあります。これらの結果は、カウンターポイントリサーチが発表した「Global Smartphone Market Shipment Tracker, Q2 2025」に基づくものです。


出典:Source: Counterpoint Research Global Smartphone Market Shipment Tracker

日本のスマートフォン市場で最大のシェアを誇るAppleは、2025年第1四半期からiPhone 16eの販売が好調に推移し、その勢いを維持しました。しかし6月以降、同製品の初期の勢いはすでに鈍化しているため、下半期の成長は他のモデルや新製品の投入により依存することになるでしょう。

一方、Androidベンダーの結果は対照的で、一部は堅調な成長を遂げました。Samsungは2025年にプロモーション施策を強化し、当四半期の出荷台数は前年同期比60%増と大幅な伸びを記録しました。Googleも12%の成長を達成しました。対照的に、Xiaomiの出荷台数は35%減、Sharpは28%減、Sonyは50%減となり、OEM各社の明暗が際立つ結果となりました。

積極的な販売プロモーションも市場の成長を後押ししています。主な原動力となっているのは、端末返却プログラムを基盤とした「1円端末」プロモーションで、消費者から強い支持を集めています。これにより初期負担が抑えられ、最新モデルへのアップグレードが容易になり、新規契約や機種変更、さらには2台目需要の喚起にもつながっています。加えて、端末割引、ポイント還元、データ容量拡大、サービスのバンドル、MNPインセンティブといったキャリア各社の施策も、こうした需要を幅広く下支えしています。

2025年下半期の展望

2025年上半期に力強い成長を見せた日本のスマートフォン市場ですが、下半期は出荷台数が鈍化する可能性があります。市場では引き続きAppleが優位を保つ見込みですが、Samsung、Google、OPPO、そしてXiaomiも勢いを増しており、新機能やコストパフォーマンスを軸とした競争はさらに激化すると予想されます。一方で、端末価格の高騰や買い替えサイクルの長期化、中古端末需要の増加といった要因が、市場全体の成長を抑制する可能性があります。2026年に向けては、NTTドコモの3Gサービス終了に伴う買い替え需要が一時的な追い風となる見通しです。しかし、各社のプロモーションや端末返却プログラムが買い替え需要を下支えする中でも、この成長が持続可能であるかは不透明です。今後の市場動向を注視していく必要があります。

【カウンターポイントリサーチについて】
カウンターポイントリサーチは、テクノロジーエコシステム全体を対象とした製品を専門とするグローバルな市場調査会社です。
当社は、世界中の主要なイノベーション・ハブ、製造クラスター、商業都市に拠点を構え、スマートフォンOEMからチップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業に至るまで、幅広いクライアントにサービスを提供しています。

経験豊富な専門家が率いるアナリストチームは、企業の経営幹部、戦略担当者、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品およびマーケティングの各部門のステークホルダーと連携しながら、市場データ、インサイト、コンサルティングなど幅広いサービスを提供しています。

当社の注力分野には、AI、自動車、コンシューマーエレクトロニクス、ディスプレイ、eSIM、IoT、位置情報プラットフォーム、マクロ経済、製造、ネットワークインフラ、半導体、スマートフォン、ウェアラブルなどが含まれます。

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